ホーム > スペイン語を話す国
カテゴリ:スペイン語を話す国
Hola a todos!
みなさま、こんにちは。マリアテレサスペイン語スクールのMarilúです。
すっかり気温が上がり、半袖でも大丈夫そうな今日このごろですが、いかがお過ごしですか?
さて、前回のメキシコの話は、予想以上の反響がありました。
「前から興味があったけど、ますます行きたくなりました!」や、
「正直あまり関心がなかったけど、これを読んで、とっても興味がわいてきました!一度行ってみたいです!」と言った、嬉しい言葉をたくさん頂きました。Muchas gracias!
うんうん、そうですよね!一度メキシコに行った私も、こうやってメキシコについて書いているうちに、一気に「また行きたい熱」が高まってしまいました。
「これはもう行くしかない!早速レッツゴー!もとい、今すぐバモス!!」
と、思いだけは募りますが、実際に行けるかと言うと、そう簡単ではないのです(がっくし)。
スペインもそうですが、中南米の国々も日本から行こうと思うと、長い長い旅をしなくてはいけません。台湾や香港に行くのとは違うのです。
「あぁ、なぜスペインはこうも遠いの?香港くらいの距離にあれば、どれだけすばらしいかしら!」
あぁ、神さま、女神さま、近い将来、5時間くらいでスペインに行けるようになりますように。
(神様も困ってしまいます)
しかし、そんな夢のような未来はまだ先のようなので、もうしばらくは窮屈な長旅に耐えなくてはならないようです。
スペインへ行くには直行便がないので、必ずどこかで乗り継がなければなりません。
そうなんです、直行便がないんですよ!ソウルや北京からはマドリッドへも、バルセロナへも直行便があるのに、日本からは一切ないんです!(憂うべきこの事実)
なので、スペインに行くには短くても16時間はかかります。乗継時間が長ければもっとかかります。
では、メキシコはどうでしょうか?
中南米は更に遠いので、もっとかかる!のが現実です。
中南米と言っても広いので、国や地域によって距離も違ってきます。
では、メキシコに行くにはどれくらいかかるのか!?
なんと成田から「アエロメヒコ(メキシコ航空)」が直行便を出しています。メキシコシティまでの所要時間は13時間、メキシコシティからの帰路は17時間ほど。直行便ではなく乗り継ぐ場合、30時間を超えてきます。
とある生徒さまはおっしゃいました。
「私ね、飛行機が大好きなんです。どんなに長時間でも全く苦にならないの。ワインをもらって映画を見てたら、いくらでも乗ってられるんです。」
かっこいい、一度でいいから言ってみたい。
私は長旅が苦手です。私はとってもデリケートなので(どうか笑わないでください)、乗り物の中では寝れないんです。眠れない長旅は本当にしんどくて、毎回ぐったりしてしまうのです。
それでもです!スペインもメキシコも、それだけ長時間のフライトに耐えてでも、行く価値があると思います。
では、どの辺に価値があるのか、今日はもっと掘り下げて行きたいと思います!
(例のごとく、なっがい前置きをお届けしました)
前回はメキシコの簡単な歴史と、スペインとの関係性をお話しましたが、歴史と同じく、その国を知るために絶対に避けて通れないのが(むしろど真ん中を通りたい!)のが、食文化だと思います。旅行に行って、食べ物がおいしいと、それだけで満足度が上がります。
メキシコは数多くの魅力を持つ国ですが、やはり多彩な料理を忘れてはいけませんね。
自他ともに認める食いしん坊の私が太鼓判を押します!おいしいです、メキシコ料理!
みなさまはメキシコ料理を食べたことがありますか?
さぁ、食べたことがある方もない方も、目を閉じてください。
皆さまと行くフルコースで楽しむメキシコ料理ツアーへようこそ(どうかついてきてください)
日本ではメキシコ料理はさほどポピュラーではないので、食べたことがない人も多いと思います。タコスは知っているけど、それ以外の料理は知らないと言う人も多いですよね。
でも、多くの国でメキシコ料理はとっても人気があります。私がバルセロナに住んでいたころは頻繁にメキシコ料理を食べに行ったものです。おいしいマルガリータを飲みながら食べる辛い料理は最高でした。
アメリカでもメキシコ料理はとってもポピュラーです。アメリカにはメキシコ系の移民が多く住んでいるので、どこでもメキシコ料理を食べることが出来るようです。ただし、アメリカのメキシコ料理は「TEX MEX(テックスメックス)」と言って、かなりアメリカナイズされた味になっています。クセがなく食べやすいですが、メキシコ人に言わせると、本場の味には程遠い・・・そうです。
そして、日本に入ってきたメキシコ料理は、アメリカを経由して入ってきたものがほとんどです。日本在住のメキシコ人の多くは、「日本では本場のメキシコ料理を食べれるお店は少ない」と口を揃えます。彼等が言うには、アメリカナイズされた料理が入ってきて、更に日本人の口に合せてマイルドな味になっているらしいのです。
確かに、日本で食べるメキシコ料理は「食べやすい」ものが多いと思います。
と言うのも、私がメキシコに言って、本場のメキシコ料理を食べたときに、必ずしも「食べやすい味」ではなかったのです。日本やアメリカで食べるメキシコ料理よりもクセがありました。クセのある食べ物が何よりも好きな私は大喜びで食い倒れましたが、好き嫌いは分かれるかもしれません。もちろん、万人受けするであろう「食べやすい料理」もたくさんあります。けれど、「これが本場の味なのか!」と面食らうような料理もたくさんあるのです。
メキシコ料理は、(前回もお話した)マヤやアステカと言った先住民族の料理が基礎となっています。スペイン人がもたらしたスペイン料理の影響も受けて、今の形になったと言われていますが、スペイン料理とは異なる料理がたくさんあるので、「スペイン人がやって来る前から食べられていた料理」が受け継がれてきたと言ったほうが良いと思います。
スペイン料理は辛いものはほとんどありませんが(よって、スペイン人は辛いのが苦手です。ちょっと辛くても、ぎゃー!口が燃えている!と大騒ぎします)、メキシコ人は世界で最も辛いものを好む民族のひとつ、と言えるでしょう。日本でも有名な、ハラペーニョ、ハバネロなど、激辛好きが泣いて喜びそうなトウガラシの多くはメキシコ産です。
そういったトウガラシをふんだんに料理に入れるので、辛い食べ物が多いのです(辛いのが大好きな私でさえ、これはいったい何の罰ゲームかと思うような辛い料理がありました。口の中がひりひり)。
トウガラシの他にトウモロコシ、インゲンマメ、トマト、アボカドなどを使った料理が多いです。あと、虫も食べます。昆虫食の伝統も根強く残っているのですよ。
「ぎょぎょ!」と、さかなクンのようなリアクション、ありがとうございます。
私がメキシコを旅したときも、何度か虫を食べる光景を見ました。この話はまた後でたっぷりといたします(ふふ)。
メキシコ料理で絶対に欠かせないのが、メキシコ人の主食であるトルティーヤですね!
これはトウモロコシの粉で作る薄いパンのことです。タコスやブリート、ケサディーヤなど、トルティーヤを使った料理はたくさんありますが、日本で売られているトルティーヤは小麦粉で作られた白いものが多いです。アメリカでも小麦粉のトルティーヤが食べられているし、スペインのメキシコ料理店も小麦粉のものばかりでした。よって、私はメキシコに行くまでは、小麦粉のトルティーヤしか食べたことがなかったのです。
メキシコで食べた初トルティーヤの感想は、「むむ?このトルティーヤ、味が違うぞ。なんかクセがある。」でした。
聞いてみると、「これはトウモロコシのトルティーヤだよ。本来トルティーヤはトウモロコシで作るんだよ。」と、友達が教えてくれたのです。
そうだったのか、トルティーヤ!!
最初はクセがあると思ったけど、食べていくうちに慣れてきて、おいしく感じるようになりました。
トウモロコシをつぶして薄くのばし焼いたもの(トラシュカリ)は、スペイン人がやってくるずっと前から主食として食べられていました。なので、本来はトウモロコシで作るものなのですね。しかも、様々な形、大きさ、色、食感があったそうです。
この薄いパンを見たスペイン人が、スペイン料理のトルティーヤ(じゃがいもと卵の丸いオムレツ)に形が似ていることから、トルティーヤと呼ぶようになったそうです。でも、スペインのトルティーヤは卵料理だし、分厚いのに対して、メキシコのはパンですよ。しかも薄い。丸い以外の共通点が見当たりませぬ。今でもスペインでトルティーヤと言うと、卵料理(オムレツ)を指します。トルティーヤ・エスパニョーラは最もポピュラーなじゃがいものオムレツですが、他の具でも、オムレツは全てトルティーヤになります。日本風の卵焼きもトルティーヤ。
けれど、メキシコをはじめ多くの中南米の地域では、トルティーヤは薄くて丸いパンを指します。メキシコ以外でもこういったパンがあるのですよ。トルタと呼ばれることも多いです。
では、いつごろ小麦粉のトルティーヤが誕生したのでしょうか?
スペイン人がメキシコにも小麦栽培と小麦食の文化を定着させたことから、小麦粉のトルティーヤが生まれたそうです。トウモロコシのトルティーヤよりもクセがないので、アメリカや他の国で人気を呼びました。日本やアメリカでメキシコ料理を食べた方は、おそらく小麦粉のものだったと思います。
では、トルティーヤの食べ方は?
やはり、一番ポピュラーなのはタコスですよね!タコスとは、トルティーヤに具をのせ、二つ折りにして食べるのです。具はいろいろですが、フリホーレス(インゲン豆を煮たもの)や肉、野菜などをのせ、サルサをかけて食べます。これが本当に美味!!大好きです、タコス!
ブリートも有名ですが、これはトルティーヤで具を巻いたものです。でも、メキシコシティ出身の友達が言うには、メキシコ全土でポピュラーではないそうです。メキシコ北部(主にアメリカに近い地域)では食べられているけれど、どちらかと言うと、TEX MEX(アメリカのメキシコ料理)のイメージが強いそうです。
「ふん、あれは伝統的なメキシコ料理とは言えないさ・・・」と悪そうな笑みを浮かべておりました。
他にも、
・エンチラーダ(トルティーヤに肉を詰めて巻いたものに唐辛子のソースをかけた料理。肉以外の具もあります)
・ケサディーヤ(トルティーヤにチーズを挟んで調理したもの)
など、様々なトルティーヤ料理があります。
では、今日はこのぐらいにして、次回は他の料理について書きたいと思います。
サルサ、フリホーレス、ワカモレ、モーレ、そしてテキーラにマルガリータ。
お待ちかねの虫料理についても書きますので、こうご期待!
(みなさまが気になって夜も眠れないと困るので、次回は早めにアップします!)
今回ご紹介した、見ているだけでよだれがたれそうな写真の数々は、私の大切な友人であるNamitaさんから提供していただきました。Muchas gracias Namita!
では、Hasta pronto~☆
☆今日のスペイン語メモ☆
La cocina mexicana メキシコ料理
Tortilla トルティーヤ
Maís トウモロコシ
Harina de trigo 小麦粉
Aguacate アボカド
Chile, pimiento, guindilla トウガラシ