【第16話】スペイン旅行記~グラナダ編~
カテゴリ:スペイン語を話す国
Hola a todos ustedes!
マリアテレサスペイン語スクールのMarilúです
新年の挨拶が遅くなってしまいましたが、明けましておめでとうございます。
みなさまはどんなお正月を過ごされましたか?
私はと言いますと、寒さを理由に、ひたすらごろごろ、絵に描いたような寝正月でした。寒いときは家でぬくぬくしているのが一番!もはや、そう断言することに「これでいいのか」と言った罪悪感は皆無であります。
そう思い悩む青い時代はとうに過ぎました。
やっぱり、ほっこりするのが一番!
と、新年早々、怠け心全開な私ですが、今年もスペインや南米の話を届けていこうと思っておりますので、
よろしくお願いいたします!
さて、よく聞かれるのですが、スペインって寒いんですか?という疑問。
どうもみなさま、スペインは太陽の国、情熱の国、よって、常夏だと思っていらっしゃるようです、
が!スペインは寒いですよ~。真冬は神戸より寒いところが多々あります。
地中海沿いの街(バルセロナ、バレンシア、アリカンテ、マラガ、カディスなど)は温暖な気候です。
夏は暑いけれど、冬は過ごし易いです。けれど、冬服は必要です。決して、東南アジアのように、
一年中半袖でオッケーというわけではありません。
では、地中海の沿岸部以外はどうかと言いますと、内陸に入れば、ぐっと寒くなります。
たとえば、同じアンダルシア地方であっても、グラナダはとても寒いのです。
以前、マラガに住んでいた頃に(大学時代の話です)グラナダに遊びに行ったときの話ですが、
着いてバスを降りた途端、息は真っ白、一瞬で手は氷のように冷たくなり、一目散に近くのバルに避難しました。
なんと気温は氷点下5度!!温暖なマラガの気候に慣れきっていた私の体は、芯から冷え、終始がったがた震えていました。
グラナダの近くにあるシエラ・ネバダ山脈ではスキーが楽しめます。アンダルシア地方でスキー?
と思いますよね。アンダルシアのイメージは、「南の太陽の地」というのが一般的なので、
スキーが出来ると聞くと、驚く人が多いのです。
では、内陸部はどうかと言いますと、寒いです!!首都のマドリッドは、氷点下6度ぐらいまで気温が下がるのは珍しくありません。
夏は40度近くまで上がり、冬は零下の寒さ。寒暖の差が激しいのです。
それ以外の街でも、氷点下10度まで下がる街は多々あります。
実はスペインって、緯度を見てみると、かなり高いところに位置してるんですよね。
スペインの北西部は北海道と同じ緯度にあります。
なので、スペインは寒いのです!
ちなみに、私の父の出身地はソリアと言う、北部にある小さな町ですが、真夏でも夜はジャケットがいります。
真冬になると、マイナス15度が平均気温です。
そんな極寒の地で生まれ育った父はとっても寒さに強いです。私や母が寒い寒いと震えていても、
父は平気な顔をしています(誰よりも薄着なのに!WHY!?)。
ということですので、冬にスペインに行かれる方は、しっかりと気温をチェックして、万全の準備をして行ってくださいね。
間違っても、セブ島に行くような恰好では行かないように!
では、今回も最初から話がそれましたが、今日は前回の続きで、グラナダに行ったときの話をしたいと思います。
セゴビアとマドリッドを急ぎ足で堪能した後、私たちはバスでグラナダに向かいました。
夜の到着だったので、すぐにホテルに向かったわけですが、そのタクシーの中から町並みを見た友人2名は、
「なんて幻想的なの!!着いたばかりだけど、グラナダやばい!大好き!」と興奮しているご様子。
グラナダはとっても幻想的な町です。ライトアップされた街はうっとりしてしまいます。
古い町並みはヨーロッパ建築、アラブ建築が混ざり合っていて、グラナダ特有の美しさを誇っています。
この町で「アルハンブラの思い出」(スペインギターの名曲です。知らない方は今すぐ検索クリーック!)
を聞きながら、アルハンブラ宮殿を眺めたい・・・。
一瞬で夢の世界にひとっ飛びしてしまいます。「アルハンブラの思い出」の哀愁漂うメロディは、
まさにグラナダの町にぴったりです。
ではここで、とっても雰囲気のあるバルの写真をどうぞ♪
今回のホテルは、私が以前グラナダに行ったときに宿泊して、とっても良かったホテルを
ぜひ友達たちに見てほしくて、予約しました。
その名は、「アルハンブラ・パレス・ホテル」!!アルハンブラ宮殿の隣にあるホテルで、
丘の上に建っています。
ホテルに一歩入った途端、アルハンブラの世界が広がっています。
テラスからはグラナダの町を見渡しながらカフェを楽しむことが出来ます。
グラナダに行く際は、ぜひこのホテルに泊まってください!激しくお勧めします!
夜はフラメンコを見に行きました♪洞窟のフラメンコショーに行きましたが、とても楽しかったです!
洞窟のフラメンコショーは、観客と踊り手の距離が驚くくらい狭く、表情もしっかり見ることができます(飛び散る汗もかかります)
それが良いと言う人もいれば、あまりに近すぎる、私は普通のステージで踊るのを見る方が好きだ、と言う方もいます。
好みが分かれるようですが、普通とは一味違うフラメンコが見たい方は一度行ってみるのも面白いかもしれませんよ~。
翌朝、早起きしてアルハンブラ宮殿に行きました。スペインでサグラダファミリアと並ぶ、最も人気の高い世界遺産です。
ここで、アルハンブラ宮殿についての小話をひとつしてもいいですか?
前回のセゴビアの話のときに、スペインは6世紀までローマ帝国の一部でした、とお話しました。ローマ時代が終わり、しばらくしてから、スペインにイスラム教徒がやってきました。北アフリカから入ってきた彼らは強い勢力を持っていたため、スペインはあっという間に支配されてしまいました。
711年のことです。
けれど、元々はキリスト教徒だったスペイン人たちは立ち上がり、イスラム教徒から
自分たちの土地を取り返すための戦い(レコンキスタ・国土復帰運動)を始めました。
その戦いは800年間も続いたわけですが、キリスト教徒が次々とイスラム支配下の町を奪還していく中で、最後の最後に残ったイスラムの町がグラナダだったのです(マラガまで含まれます)。
イスラム最後の王朝であった、ナスル王朝が住んでいたのが、このアルハンブラ宮殿でした。
では、この最後に残ったナスル王朝の運命はどうなったのでしょうか?
1492年に、とうとう、キリスト教徒に包囲されてしまいます。
キリスト教徒側は、こう提案します。
「すみやかにグラナダとアルハンブラ宮殿を明け渡しなさい。そして、スペインの地から出て行きなさい。そうすれば、一切の攻撃はしない。」
そこで、最後の王様のボアブディルさんは、その言葉に従うことを決めました。
「あなた方の要求どおり、私たちはスペインを出て行きます。
でも、アルハンブラだけは壊さないでください。私にとって大きな意味を持つ、
この美しい宮殿を決して壊さないと約束してください。」と言い、
降伏を宣言する紙に署名し、グラナダの町の鍵を明け渡し、アルハンブラ宮殿を去りました。
グラナダの町を去るとき、振り返り、丘の上に建つアルハンブラ宮殿を見て、
涙を流したと言われています。
そこでボアブディル王の母親が、こう言ったそうです。
「女のように泣きなさい。あなたは男として、立派に宮殿を守れなかったのだから。」と。
でも、彼が意固地になって、「最後まで諦めない!!」と、闘うことを選んでいたら、アルハンブラ宮殿は戦場と化し、大きく破損してしまっただろうと言われています。
彼の「戦わず降伏する」という決断が、私達にアルハンブラ宮殿の素晴らしさを残してくれたのです。
うんうん、人生、がんばってみて、待ってみて、それでも状況が変わらないのなら、きっばり諦める、断ち切るということも、ときには必要ですよね。
アルハンブラ宮殿は、本当に圧巻の美しさです。
世界にたくさんあるイスラム建築の中でも、最高峰と言われています。
ボアブディルさんに感謝ですね!
アルハンブラの美しさは、なんといっても、細かい模様の彫刻です!
写真では物足りないですが、ぜひご覧下さい!
あまりの美しさにたくさん写真を撮ったのですが、さすがに全部は載せれないので、残念ですが、これだけ掲載します。
でも、もっと見たいという方は、遠慮せず言ってくださいね!スクールにありますので、お見せします☆
スペインに行くなら是非グラナダに行ってください!本当に素晴らしい町です。
何度でも訪れたくなること間違いなしです!
では、次回はコルドバについて書きますね!
寒い日がまだまだ続きますが、元気いっぱいにがんばってくださいね!
Hasta pronto~♪
☆今日のスペイン語メモ☆
Palacio 宮殿
Recepción 受付(ホテルなど)
Desayuno 朝食
Espectáculo ショー
Terraza テラス
Vista 景色