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【第17話】スペイン旅行記~コルドバ編~

カテゴリ:スペイン語を話す国

Buenas tardes a todos! ¿Cómo se encuentran?
マリアテレサスペイン語スクールのMarilúです

しばらくご無沙汰してしまいましたが、お元気でお過ごしですか?
今はちょうど花粉シーズン真っ盛りですね。今年は特に花粉飛散量が多いそうです。いやですね(涙)。
この時期になると、たくさんの生徒さんが花粉症で大変な思いをされています。
スクールにいらっしゃる際にも、マスクを着用し、目薬を手に持ちながら、つらいのを耐えつつ勉学に励んでおられます。
「頭がね、ぼーっとするんですよ」と微笑みながら、スペイン語をがんばって勉強されている姿を見ると、毎度、目頭が熱くなります(うるるん)。
「なんと、気高き精神!!これぞ、勤勉な日本人の姿!!」と、怠け癖フルパワー全開(?)の私は感心するのです。
「見習わなくては!家でごろごろ転がっていてはいけない!」
ぜひ、爪の垢を煎じて飲ませて頂きたいものです。

よく聞かれるのですが、スペインにも花粉症はあるのですか?という質問。
あります!スペインでも、年々、花粉症を患う人は増加しています。
数年前に、スペインのドキュメンタリー番組で、花粉症の今!と題して、花粉症に苦しむ人々を取材したものが放送されました。私はそれを見たとき、とても驚きました。というのも、私がスペインに住んでいたころは、周りに花粉症の人はいなかったのです。もちろん、いるにはいたのでしょうが、私が親しくしていた人たちの中には一人もいなかったので、スペインには花粉症患者は少ないものだと思っていました。しかし、そのドキュメンタリーによると、花粉症は今、大きな問題に発展しているらしいのです。
では、いったい何の花粉がこの由々しき事態を引き起こしているかと申しますと、なんとオリーブの花粉だそうです!!
え?オリーブ?と思いますよね。
オリーブには、何とも可愛らしい小さな白い花が咲きます。見ている分には微笑ましい限りなのですが、このお花ちゃんが強烈な花粉を撒き散らしてくれるのです!
なので、スペインでも、オリーブの栽培が特に盛んな地域(アンダルシア地方など)では、花粉症は重大な問題なのです。オリーブ畑に隣接した町では、病院の花粉症外来に人が殺到しているそうです。
国が違えば、木の種類も違ってくる、のに!花粉症に苦しむ人は等しく増えているなんて!
やはり、環境汚染のせいなんでしょうね。
みんなで目指しましょう!れっつピースフルワールド!

さて、今日はスペイン南部に位置する美しい街、コルドバについてお話したいと思います。
私は初めて訪れたときから大好きな街なのですが、なぜか、日本からのツアー日程を見てみると、コルドバが含まれていないことが多いのです。マドリッドから南へ下り、セビリア、グラナダと周り、マラガ(ミハスやロンダ)を観光してからバルセロナへ北上し、そのまま帰国、というのが最もポピュラーなコースのようです。コルドバを訪れるツアーがあっても、バスで立ち寄り、2時間でメスキータを見て、そのままバスで次の街へ、という、「それってコルドバを訪れたって言えるの?」と突っ込みたくなるようなドタバタ劇場だったりします。あぁ、なんともったいない!!せっかくコルドバに来たのに、滞在時間が2時間なんて、あぁ無情。

ということで、みなさまにはぜひとも、コルドバで一泊(少なくともですよ)して頂き、じっくりとコルドバの美しさを堪能してもらいたいと思います。コルドバはとても見る価値がある街です。

今回の旅で(と言っても、去年の夏の話ですが)、一緒にマドリッド、グラナダ、マラガを旅した友人二名は先に日本に帰ったので、コルドバへは母と行きました。
コルドバに行くと言うと、「この真夏に行くなんて、正気かい?」とマラガの友達に言われました。

そう、コルドバはとっても暑い街なのです。
では、暑いと言うと、みなさまの感覚だと、何度ぐらいを想像しますか?
35度、37度、いやいや、40度だ!!

はい、ぶっぶー。

真夏のコルドバの気温は、50度近くまで上昇します。私がスペインに住んでいたころ、何度かニュースで、「今日のコルドバの気温は53度まで上がりました。極力、日中は外出しないようにしてください」と、警報が出ているのを見ました。まぁ、さすがに53度は滅多にないでしょうが、48、49度というのは割とよくあるようです。セビリアの街も同じくらい暑いです。

私と母はサウナのようなコルドバの街を歩いたわけですが、「苦行」の一言でした。
この苦行の先には悟りの世界が・・・、と思いながら意識が遠のいていく感覚。熱中症で倒れる人の気持ちが分かりました。

とあるタクシー内での会話。
母「いやぁ、暑いですね。さすが、コルドバって感じですね。」
運ちゃん「そうだろ、この暑さがコルドバの証だよ。」
母「おたくも大変ですねぇ。こんな暑い街で生きているなんて(憐れみの目)。」
運ちゃん「何を言っているんだい?きみはクレイジーかい?こんなの、例年に比べれば大したことないさ。」
母&私「え!!!!これで大したことない?例年はもっと暑いと?」
運ちゃん「こんなもんじゃないよ。今日は42度くらいだろ。いつもは48度くらいだからね。今年は冷夏なのさ。」

冷夏の意味を辞書で確認したくなりました。

簡単ではございましたが、コルドバの暑さについて理解して頂けたでしょうか?
では、次はコルドバの魅力について語らねばなりますまい。

コルドバは、アンダルシア地方にある街です。その歴史はとても古く、街自体が博物館のようです。ローマ帝国時代の遺跡も数多く残っています。しかし、コルドバと言うと、一番に思い浮かべるのは、やっぱりメスキータですよね!
メスキータとは、スペイン語でモスク(回教寺院)を意味します。メスキータという単語はコルドバのものに限るわけではなく、イスラム教のモスクはすべてメスキータになります。
ただ、スペインではコルドバのものが最も有名なので、「La Mezquita」と言えば、誰でもコルドバのものを思うのです。
では、キリスト教国であるスペインに何故モスクがあるのでしょうか?
前回のグラナダ編を読んだ方なら、即答できることでしょう!
なぬ、まだ読んでいないと!ジョークはいけない。今すぐ読んでちょーだい!

スペインは元々キリスト教だったのですが、711年にイスラム教徒の侵略を受け、その後、800年に及ぶ支配を受けました。支配の度合いは地域によって異なりましたが、特に南ではイスラム教徒が強い勢力を持っていました。彼らは756年にコルドバを首都とし、その中心にモスク(メスキータ)を作りました。その後、コルドバの街は発展し続け、10世紀に入ると、大きな繁栄を築き、多くの建造物や大図書館が建てられました。この時代、コルドバの街は世界最大の人口を持つ大都市になり、イスラム文化の中心地となったのです。

10世紀に世界最大の人口とは、「なんか知らんけど、とにかくすごそうだ!」と思いませんか?
この時代に多くのモスクが建てられたわけですが、その中でも最大かつ最強(?)だったのが、現在も多くの人を魅了してやまない、メスキータです。

キリスト教勢力によるレコンキスタ(国土復帰運動)が活発化し、1236年6月29日にコルドバの街はカスティーリャ王国のフェルナンド3世に征服されました。15世紀末にレコンキスタが完了すると、イスラム教徒の多くがスペインから退去させられました。その後、メスキータには礼拝堂が増築され、カトリック教会として生まれ変わったのです。

つまり、メスキータにはイスラム建築とカトリック建築の両方があるのです!!!

メスキータは世界でも稀なものとして有名です。キリスト教とイスラム教が同じ建物の中に混在しているのは、極めて珍しいことなのですよ。
日本では、神仏習合と言う言葉があるように、神道と仏教が仲良く融合しているわけですが、それは世界では珍しいことです。神社の隣にお寺があったり、お寺の中にも鳥居があったり、神社で仏教由来の神(弁財天さまなど)が祀られていたりしますが、それは多くの国では考えられないことなのです。日本で幼少期を過ごした私は、そういうことを疑問に思うことなくスペインへ移住し、長い月日をスペインで過ごしました。そして日本に帰ってきてから、日本各地いろいろなところに行きましたが、最初は逆カルチャーショックを受けたのです。
スペインやヨーロッパをよく知った後に日本を見たとき、その摩訶不思議なミラクル世界観にびっくり仰天しました。子供のころは何とも思わなかったけれど、日本とはなんと宗教に寛容な国なのでしょう。
こんな風に融合しているなんて!
ブラボーです、エキゾチック・じゃぱん。
すばらしきフュージョン!うつくしきハーモニー!!!(昇天)
と、興奮する日々でございました。

けれど、多くの国では、それはあり得ないことなのです。ふたつの異なる宗教が融合しているなんて、なかなか目にすることは出来ないのですよ。
メスキータも、最初はモスクとして建てられ、その後、キリスト教徒が増築し、大聖堂にしたわけですが、同じ建物の中で、キリスト様式とイスラム様式、それぞれの芸術が見れるのは、とても貴重なのです。

では、メスキータのイスラム様式の写真をどうぞ♪
2メスキータ

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キリスト様式の写真です★
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3メスキータ

美しいですよね!!ぜひ、みなさまにもメスキータの美しさを、その目で見てほしいです!

さて、コルドバのもう一つの目玉と言えば、やはりパティオでしょう!パティオとは中庭のことですが、これもイスラム教徒がスペインにもたらした文化で、元々はアラブが起源です。アンダルシア地方はとても暑いので(特にセビリアとコルドバはスペインでも最も暑い街と言われています)、パティオを設けることで、家の中に涼しい場所を作るのです。灼熱地獄の最も気温が上がる時間帯に、スペインの人たちはシエスタをとる習慣があります。2時から4時頃までは働かず、ゆっくり昼食を楽しみ、その後、昼寝をするのです。実際には寝ない人も、食後はのんびりと気温が下がるまで休みます。そのときに、このパティオが家族の憩いの場になるのです。涼しいパティオにいれば、うだるような暑さも凌げるのだそうです。
パティオにはたくさんの植木鉢を置きます。植物は気温を更に下げてくれるし、癒し効果もあるので、なくてはなりません。

では、コルドバで撮影してきたパティオの写真をどうぞ♪
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メスキータの周りの狭い路地を探索していると、たくさんのお店があります。そのお店の中にもパティオがあって、見せてもらえるんですよ。

5月にはパティオのお祭りもあって、その期間中はコルドバの人たちが自宅のパティオを公開してくれます。とっても美しいパティオが見れるとあって、世界中から観光客が押し寄せます。

最後に、有名な「花の小道」の写真をどうぞ♪
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花の小道にあるバルです!ここでコーヒーを一杯、なんていいですね!
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さて、次回はバルセロナとガウディについて書きたいと思います!

おそらく、日本人観光客の間で一番人気がある街だと思うので、バルセロナの魅力をたっぷりとお伝えしますね!

ぜひ、楽しみに待っててください☆

では、Hasta luego~★

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